前回の記事:オープンマイクへ行こう②顧客満足編

オープンマイクで知り合った人が、ライブに出るときのノルマとチャージバックの話をしてたけど、よくわからなくて…

まず、用語と基本的なことについて解説しますね。
ノルマとは?
出演枠を確保するために課せられる最低動員・最低売上の義務のことです。
お客様を何人集める必要があるか、ということです。
ノルマがなぜあるのかを考えてみよう
主催者が出演者に「集客」を期待している場合は「ノルマ」の提示があると思います。
つまり、主催者が出演者に、集客と費用の負担を求めているということです。
シンガーソングライターが歌うライブハウスやライブバーは、単に飲食目的や家族や友人との交流の場としては、不向きです。
BGMと違って、音楽が邪魔になるからです。
ですので、一般のお客さんがフラッと音楽を聴きがてら飲みに来るということはまずありません。
だから通常、ライブハウスやライブバーを使うには、何時間いくらという「箱貸し(ホールレンタル)」価格が設定されています。
箱貸しだけだと個人では負担が大きいので、「ブッキングライブ」という形で主催者が出演者を集めて、ノルマという形で費用を分担してもらうのです。
チャージバックとは?
お客様が支払ったチケット代から、自分に返ってくる(支払われる)お金のことです。
ライブ出演の話を進めるときは、ノルマやチャージバックという「出演の条件」を確認して検討しましょう。
分かりにくいのは、「チケット2000円+1ドリンクオーダー」の場合もあれば「チケット2000円(1ドリンク込み)」の場合があります。
基本的には飲食の売上はお店の取り分なので、前者であれば、チャージバックの対象はチケット代2000円で、後者の場合はチケット代2000円からドリンク代を引いた額がチャージバックの対象です。
チャージバックの条件にはしっかりと着目しましょう。

自分はいくら稼ぎたいのか、チャージバック率がいくらで、何人集客すれば目標達成できるのか、数字で考えましょう。
チャージバックを具体的に計算してみる
例えば、入場料が「2000円+1ドリンクオーダー」の場合、
条件として、「ノルマ5枚で6枚目から50%バック」というような提示があったとします。
この場合は、ノルマ5×2000円=10000円と、6人目からの50%(1000円)とドリンク代が、お店と主催者の取り分になります。
自分には、集客6人目から1000円もらえます。
- 自分のお客様が0であれば、ノルマ分の10000円は自分で支払わねばなりません。
- 自分のお客様が5人であれば、支払いもないですが、収入もありません。
条件はもっと細かく設定されていることもあります。
「ノルマ3枚で6枚目から50%バック、11枚目から75%バック、12枚目から100%バック」
といった感じです。
- この場合、集客0人なら6000円の支払いノルマ、4人、5人なら支払いはなしで、チャージバックもなし(ノルマは超えているがチャージバック開始ラインに届いていない)。
- 集客6人ならノルマの支払いは無く1000円バックされます。
- 集客10人なら、1000×5人で5000円バック。
- 集客11人なら、5000円+1500(2000円の75%)で6500円バック。
- 12人以上は100%バックなので、1名増えるごとに+2000円です。

他にも、ノルマはないけどチャージバックもなしとか、集客5人まではバックがないけど、6人以上集客した場合に限り、3人目以降の分から遡って50%バックされるとか、色んな条件があります。
提示された条件が分かりにくい場合は、遠慮なく具体的な数字を提示して確認してください。
ノルマやチャージバックの良し悪しは相対的

ノルマが無いイベントがいいな〜!

気持ちはわからないでもないんですが、そう単純なことではないんですよね…
ノルマとチャージバックについては、その数字だけを見て、良いとか悪いとか、適正不適正を判断できません。
集客力や目的、各々の状況によって、良い条件かどうかは相対的だからです。
今の自分に合っているか、という視点が大切です。

とはいえ、たまに数字だけ見ても、さすがに不適正だなというノルマを提示されることもあります。
例えば、キャパが30人なのに、出演者10人でそれぞれノルマ10みたいな…入り切らんやん(笑
ノルマのないイベントもある
出演料・出演費制のライブ
「ノルマ」ではなく「出演料・出演費・機材使用料」等として費用を提示される場合もあります。
「出演料・出演費・機材使用料」という表現だと、例え同じ金額を支払うことになるとしても、集客のプレッシャーが少ないので使い分けていると思います。

ややこしいのは、「出演料」とだけ言われると、もらえるのか支払うのかが分からないことだと思います。
まだ実績の少ないインディーズミュージシャンに、知らない人や親しくない人から「出演料」の話があれば、支払いが必要な費用だと思ってください。
分からない場合は、相手との関係性や文脈で推測せず、メールなどで確認してください。
投げ銭制のライブ
入場は無料で、投げ銭(チップ)制のライブもあります。
その場合も、投げ銭の受け取り方、分配の仕方は様々なので、事前に確認してください。
「ノルマなし=集客不要」という意味ではない
ノルマがない場合もありますが、誤解しないでほしいのは、ほとんどの場合、
ノルマなし=集客不要
という意味ではないということです。

ノルマがあろうがなかろうが、個人で音楽で稼ぐには、自分の力で集客することは必須です。
理想を言えば、お金も人脈もある人が主催して、費用を払って集客もしてくれて、ギャラも貰えたらありがたいですよね。
会社員であれば、会社が費用を負担して、集客もしてくれる場合があります。
そして、成果が出なくても給与は振り込まれる。
でも、個人事業主は違います。
料理人でもハンドメイド作家でも、絵描きでもITエンジニアでも、どんな仕事でも、誰かが費用を負担して集客してくれたら助かりますが、まず、そういうことはないですよね。
そして、どんなに頑張っても、成果がでなければ収入はありません。

音楽で稼ぎたいのであれば、会社員マインドは捨ててください。
お客様は自分で集める。
集客に本気で向き合うことが、稼ぐための最初の一歩です。

確かに、ノルマがなくてもお客様がいないと意味ないし…
そんなイベントが続いたら、お店も経営していけないですよね…
自分に求められている役割は何かを見つけて、その役割を果たす、それが稼ぐために必要な行動
集客しない出演者ばかりなら、お店は営業を続けられません。
そうなれば、インディーズミュージシャンが活動できる場が減り、自分で自分の首を締めることになります。
インディーズミュージシャンへの出演依頼は「集客依頼込み」だと思ってください。
まだ実績がない、少ない段階で出演オファーが来るということは、
「こちらで場所は用意するから、お客さんを連れてきてね」
という意味が含まれているんです。

ノルマ云々言われなくても、それくらいは察してください🙏

ぐっ…
出演者の中にはノルマの無いライブの誘いの方が悩むという人もいます。
ノルマのあるライブの場合、出演するかしないか決める段階で、自分の金銭的リスクはある程度コントロールできます。
集客人数が足りなくても、最低限ノルマの金額はお店に入れるので、出演者としての責任もある程度果たせます。
一方で、ノルマがない場合は、店・主催者だけが金銭的リスクを負っている訳です。
その状況で集客できないと、「この人ならノルマを言わなくても集客してくれるだろう」という信頼と、「もし集客が足りなくて自分が負担を負うことになっても、この人なら出演してもらいたい」という好意を裏切ることになるからです。

以前は、お客さんもたいしていないのに、なんでライブが終わってもダラダラ呑んでるんだろうと思ってたけど…
お客さんがいないからこそ、せめて自分でお金を使っていたんですね!
たまに、ノルマについての不満をとやかく言っている人を見かけます。
友達との世間話のひとつには良いと思いますが、他人をコントロールすることはできません。

自分ができることにエネルギーを集中する方が、稼げるようになる早道です。
ノルマやチャージバック等の条件は、お互いに後から確認できる形で残そう
わからないことがあれば質問するなど、条件は明確にしてください。
口頭でやり取りした場合は、確認のメールを送るなど、必ず後から確認できる形で残すようにしてください。
- 入場料制か投げ銭制かなど
- ノルマ
- チャージバック
- オーダー等その他の条件
- 入り時間・持ち時間
- 精算タイミング
精算タイミングは、ライブ終了後に現金精算することが多いですが、チケットが現物発行されている場合は、売れ残った分の返却が必要なこともあります。
まとめ
- ノルマ=出演に必要な最低集客数(チケット枚数)
- チャージバック=チケット代から自分に返ってくる金額
- 条件はメールなど残る形で確認
- 条件の良し悪しは自分の集客力や状況によって相対的
- ノルマなし=集客不要ではない
- 他人のことでなく、自分ができることに集中する
- 「出演料」は、ほとんどの場合、支払う費用のこと
- 自分に求められている役割は何かを見つけて、その役割を果たす、それが稼ぐコツ
基本的なシステムが分かったら、次は具体的な条件の考え方や、条件交渉について解説します。


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